23 森本 行人:筑波大学

「人文社会科学研究の社会的インパクト」
9月2日 10:50~12:20 大会場(8階ホール)

 今回は人社系研究の見える化という視点から、実社会へのインパクトについて考えるセッションを設けました。いくつかある世界大学ランキングでは、英語論文の被引用数を持って研究力をはかるものがあります。これまで、大阪大学、京都大学、筑波大学、早稲田大学のURAとともに「人文社会系の研究力のはかり方(=数字評価)」について議論してきましたが、そこでは、理科系に比べて英語で発表する雑誌の収録の少なさが、いつも問題点として挙げられてきました。研究推進担当や研究支援担当者のなかにも、行き過ぎた被引用数評価は学問の本質が曲げられている、と感じる人がいると思いますが、一方で、所属機関の予算配分などに影響を及ぼしていることは否定できないことだと思います。

 さらに現在の研究では、専門分野の中での貢献と実社会の中での貢献の両方が成果として求められています。その流れの中で、専門分野の言語も一般社会の言語も、その両方の言語が分かる、ある種バイリンガルな人材(例えばURA)も大学や研究機関の成果情報発信という観点から、年を追うごとに必要とされてきており、理科系・人社系に関わらず研究成果発信に力を入れているところも増えてきています。
 そこで、今回のセッションの前半では、映画、ドラマ、CM制作で活躍されている助監督とともに、大学の研究がメディアを通じてどのように評判を遂げていくのか、メディアはどのようにして専門家の人選を行い、どのように映像化されうるのか紹介していきます。さらに、後半では、人社系研究について、映像を通じて見える化させるための企画を参加者に考えていただきます。





【セッションオーガナイザー・司会者
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 森本 行人(筑波大学 URA研究戦略推進室/人文社会国際比較研究機構
 (ICR) リサーチ・アドミニストレーター)

ICR 筑波大学人文社会国際比較研究機構(研究大学強化促進事業で唯一人文社会科学分野の研究センターとして設立)にて、人文社会系の見える化を中心に研究支援を行っている。これまで人社系の研究力のはかり方についてURAシンポジウム等で議論し、また2度の人社系研究推進フォーラムでは、組織の枠を超えて研究者、URA、事務職員、財団職員と議論を行ってきた。関西大学博士後期課程修了。2013年4月より現職。博士(経済学)


【講演者】
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 山口 マイ(フリーランス 助監督)

映画作品で助監督の仕事を経験。以降、映画を中心に、テレビドラマ、CMなどの助監督として携わる。



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 松澤 和行(株式会社イー・エス・ピー UTB映像アカデミー 教育指導責任者(プロデューサー))

UTB映像アカデミー卒業後、TV番組制作会社にて勤務しディレクターを務め数々の番組に携わる。その後UTBにて講師・教務スタッフとして勤務。学校運営を行いながら映像コンテンツの制作を手掛ける。現在も構成作家・俳優など多方面で活躍中。得意な分野として、「文化としてのサブカルチャー論」等、映像表現を技術面ではなく文化論から語ることには一日の長がある。